東京大学物性研究所 極限コヒーレント光科学研究センター

岡﨑 研究室

極低温超高分解能レーザーARPESと高次高調波レーザー時間分解ARPES

強相関物性論 (2022年度)

物質系専攻 S2ターム 金曜3限 (13:00-14:45)

  種々の固体が示す物性を理解する方法を大別すると、固体物理学的方法と固体化学的方法があります。 固体物理学では多くの場合、固体を構成する元素種のことを忘れて、固体中の電子やイオンの状態・運動を記述する基礎方程式から出発して、固体の性質を理解しようと試みます。 電子ガスの理論、超伝導のBCS理論、相転移の Landau 理論などでは、種々の固体の差異は、電子密度、結合定数、転移温度などのパラメーターの違いとして現れます。 固体化学では、固体がどのような元素で構成され、どのような化学結合を形成しているのか、という問いを出発点として、固体の性質を理解することを目指します。 種々の固体のバンド構造、光学スペクトルなどを解釈するには、固体を構成する元素の原子軌道の種類とそれらの間の化学結合を考慮した理論が必要です。
  固体の物性をより深く理解するためには、この両方のアプローチから考察することが大切です。 本講義では、固体中の多様で複雑な電子の振る舞いを理解することを目的として、以下のような項目について出来るだけ平易に解説します。。

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レジュメ (Resume)

(日程を変更する可能性があります。)

1.Introduction:原子から固体へ(6月 3日)

2.結晶構造とタイリング、格子と逆格子(6月3、10日)

3.遍歴する電子(バンド理論)(6月10日)

4.局在した電子(配位子場理論)(6月17日)

5.揺らぎと線形応答理論(6月24日)

6.相転移と平均場近似(6月24日)

7.交換相互作用とスピン・軌道秩序(7月1日)

8.電子間クーロン相互作用と金属絶縁体転移(モット転移)(7月8日)

9.電子格子相互作用と金属絶縁体転移(パイエルス転移)(7月15日)

10.超伝導(BCS理論)(7月22日)

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